FAXDMはそこに書かれている内容は当然重要ですが、デザインやレイアウトも同じくらい重要です。
どちらか一方が出来ていればそれで良しではなく、両者が噛み合わさってこそ多くの反応を得られるものです。
今回はFAXDMのデザインやレイアウトはどのようにすればよいか、基本的な作成方法と注意点を交えて解説します。
目次
FAX原稿は白黒オンリーで作るのが鉄則
文字や背景、イラストなどの素材はグレーやカラー、グラデーションなどの効果が入ったものを使わずに、白黒のみでパキッと作ることが鉄則です。
カラーやグレーなどの中間色を原稿に使用するとかすれて読みにくくなることに加えて、原稿のデータ量が大きくなるため、以下のようなトラブルの原因となります。
- FAX機がデータを上手く受信できずにエラー(不達)となってしまう
- FAX機が受信してから紙として出力するまでに時間がかかってしまい、その間FAX機を占領してしまう(電話機兼用の場合、その間は電話に出られないので迷惑がかかる)
- FAX機のスペック(メモリーの容量など)によってはオーバーフローを起こし、何枚も同じものが出力されてしまうなどのエラーが発生する
他、以下の項目に配慮して原稿を作成するとよいでしょう。
余白 | ・上下2cm、左右1〜2cm程度の余白を設ける(みっちりだと読まれにくくなる) |
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フォント |
・フォントサイズは最低でも10pt(≒14px)以上に設定する。 ・フォントサイズが小さくなる箇所には、ゴシック体や太字を使用する(明朝体は細くてかすれやすいため)。 |
線 |
・線はなるべく太くする。 ・縦線をなるべく使用しない。 ・点線は使用しない(綺麗に出力されないため)。 |
写真・イラスト |
・図やイラストは白黒のみで作成する。 ・写真はなるべく使わない(使う場合はコントラストを強めるなどして中間色を減らして使用すると○) ・大きなサイズで使用しない ・大量に使用しない → 写真やイラストが重要な場合はFAXよりも封入やハガキでのDMをおすすめします。 |
FAXDMのデザインは大きく分けて2パターン
FAXDMのデザインは、「チラシ型」と「レター型」の2つのパターンに大別できます。
チラシ型デザイン
FAXDMと聞くとこちらのパターンを想像する方が多いかと思います。
郵便ポストに投函されるチラシのように、「目立たせることでいかに読んでもらえるか」を意識した、広告色の強いデザインです。
どこに強みがあるのか、何が売りなのかを明確に伝えやすい点と、ビジュアルを含めた表現ができる点が強みです。
チラシ型デザインが向いているケース
- 価格面で強みがある商材
- 相手にとってのメリット(長所)が分かりやすい商材
- ビジュアルが重要な要素である商材
- 飲食店の集客
- 物品の販売
チラシ型デザインで作る時の注意点
■広告色を強く出しすぎない
チラシ型は広告色が前面に出てくるデザインですので、広告というだけで毛嫌いする層には届きにくいです。第一印象で広告だと感じたらよく見もせずにゴミ箱行き…といったこともあります。(経験がありますでしょうか)
そこで、広告色を強く出しすぎない工夫が必要です。具体的に言えば、小綺麗なレイアウトに重きを置きすぎず、しっかりと中身であるテキストを量・質ともに充実させることです。
■デザインのクオリティが、信頼できそうかの印象に直結する
デザインのクオリティが低い(見栄えが悪い、読みにくい)場合には「ここは信用しても大丈夫だろうか?」と不安を抱かれやすいです。信頼性をきっちり示すには、デザインのクオリティを高める必要があります。
ここで言うデザインのクオリティとは、芸術(アート)のそれとは異なります。デザインはある程度規則性をもっているので、それに従って作成すれば、見やすい・読みやすい原稿には最低限仕上げることができます。
オフィス伝わるさんが公開しているサイト「伝わるデザイン」には、デザインの基本となる読みやすさや見やすさを高める実践的なノウハウが掲載されていますので、参考にされると良いでしょう。
■インクを大量に消費するようなレイアウトは避ける
原稿上部(ヘッダー)の見出しに、黒背景で白文字を置く(いわゆる白抜き)レイアウトを使用しているケースをよく見かけます。
目立たせる意図で使用しているのは分かるのですが、実はあまり好ましくないものです。
広告色が露骨になるという点もありますが、黒の部分が多くなるということはその分インク(トナー)を多く消費するということを忘れてはなりません。FAXDMは相手の紙とインクを使わせていただく広告手法ですから、「無駄にインクを使われてしまった」という感覚をより強く抱かれる恐れがあります。
ヘッダーの見出しの強調方法には白抜き以外にもあります。十分なスペースを確保して、フォントサイズを大きく・太くするだけでも目立たせることは出来ます。
相手を思いやったデザインを心がけることが、印象の良し悪しにもつながってきますので、忘れずに考慮しましょう。
レター型デザイン
広告色の強いチラシ型とは対照的に、文章中心で業務連絡のような堅い雰囲気をもっているため、すぐには捨てられずに一度は内容に目を通してもらいやすいデザインです。
目を通してもらえた後で、いかに読み手を購入ないし問い合わせに導くかのセールスコピーライティングがより重要となってくる点ではチラシ型とはまた違う難しさもありますが、内容をしっかり伝えられるという強みがあります。
レター型デザインが向いているケース
- 高価格である等、いきなり購入していただくのは難しい商材
- セミナー集客
- チラシ型で試したけれど、反応が芳しくない
レター型デザインで作る時の注意点
■セールスコピーライティングを磨く
文章での訴求が中心となるレター型では、文章を読んで「購入したい!」「問い合わせしたい!」といかに思ってもらえるかが重要なため、そのためのスキルが必要となってきます。もちろん、この要素はチラシ型なら不要というわけではなく、マーケティングにおいて重要なスキルです。
キャッチコピーをどうするか、導入文はどうするか…など考えることは山程あるのですが、最低限以下の3つには気をつけてください。
- 読み手を常に意識する=どんな人に読んでもらいたいのか(喜んでもらえるのか)
- 読み手の欲求(ああしたい、こうなりたい)・悩みをどう解決できるのかを示す
- 上記で示した内容が本当なのか、信頼できる情報を提示する(お客様の声や実績など)
簡潔な例なら、FAXDMを一枚一枚FAX機で送っている担当者を読み手として設定し、その面倒な手間や時間の無駄がFAXの一斉送信サービスによって解決できると伝え(オファー)ます。更に、実際に利用してくださっている企業の担当者の感想や○年以上の事業継続実績を示したらどうでしょう。「ここなら悩みも解決できるし、信用もできそうだ」ということで問い合わせをしてくれるかもしれません。
上記は非常に単純な例なので、実際はもっと奥が深いものです。NetRealでは会員向けにセールスコピーライティングに関するセミナーの開催やメルマガによるノウハウの提供をおこなっています。会員登録は無料でおこなっていただけますので、まずは情報に触れることからはじめてはいかがでしょうか。
どんなデザインでも欠かせない2点
いずれのデザインにしても、以下の要素だけは欠かせません。逆に言えば、以下さえ守っていれば、FAXDMとしての体裁はとりあえず成り立ちます。
キャッチコピーは目立たせる
キャッチコピーはいわゆる本でいう表紙(または背表紙)にあたります。その本を手に取るかどうかを判断する重要な要素は表紙ではないでしょうか。だからこそ一番工夫する必要があります。
中身の文章に比べてフォントのサイズや太さを大きくして差をつけるのはもちろん、「FAX一斉送信サービスのご案内」よりは「FAXDMを一度にたくさんの宛先に送れるサービスを知っていますか?」のほうが中身が気になりますよね。(今のは安直な例ですが)
読み手を想像した客観的な目線で、中身を読みたくなるかどうかを意識して作りましょう。
返信欄は必ず設置する
FAXDMを読んでもらい、興味を持ってもらった後のことは考えていますか?
もし、FAXDMの中にFAX番号やメールアドレスなどを記入する返信欄がなかったら…せっかく興味を持っても反応のしようがありません。わざわざ会社名を調べるなどして問い合わせてくれる人もいるかもしれませんが、その手間が発生してしまう時点で反応率は著しく下がるのは目に見えています。
返信欄は必ず設置しましょう。また、今後のFAX案内が不要な方のために、「□ 今後のFAX案内は不要です」といったチェックボックスと停止してほしいFAX番号の記入欄も忘れずに含めてください。
原稿を自分で作るのは難しい…という方に
「やっぱり自分で作るのは不安…」「書き出してはみたけど、どうもしっくりこない」という方もいらっしゃると思います。
NetReal(ネットリアル)では、FAXDM原稿の制作やアドバイスも承っています。
無料会員登録後に会員画面からお問い合わせ、お申込みいただけますので、ご検討いただければ幸いです。