オファーとは、商品やサービスを売るための提案のことを指します。
FAXDMなどのダイレクトレスポンスマーケティングにおいて、提示されたオファーが魅力的かどうかは反応率に大きく影響してきます。どんなに原稿(クリエイティブ)がキレイに作られていて、上質なリストが用意されていても、そのFAXDMに込められたオファーがしょうもないものだったら、反応を得るのは困難です。究極的に言えば、オファーこそが最重要といっても過言ではありません。
似たような商品・サービスを売り込んでくる業者、つまり競合・ライバルがあなたの業界にもいらっしゃるでしょう。彼らに差をつけるためにも、より魅力的なオファーを提示することは必要不可欠です。
今回は競合に負けない、より魅力的なオファーを考える秘訣を公開いたします。
魅力的なオファーを考える秘訣
①売れ筋(人気)の商品・サービスを無料でお試しできる
お客様にとって魅力的なものが思い浮かばない時、まずは売れ筋(人気)の商品・サービスについて洗い出してみてください。なぜなら、売れ筋の商品はお客様が魅力的に感じている可能性が高い=強みの商品である可能性が高いからです。まずはランキング形式で書き出してみると良いでしょう。
書き出してみたら、それらの商品(なるべく上位が良い)が気軽にお試しできるように工夫できないかを考えてみてください。
お客様にとって購入のハードルになりやすい要素として、
- 価格(コスト)
- 手間(面倒さ)
- 時間(忙しい)
といったものが挙げられますので、それらを解消できるように設計していくことが近道です。
例えば、健康食品の販売であれば「まずは1ヶ月分を無料でお試しできます」といったオファーは定番です。「無料」であればお客様にとってコストのハードルはクリアできていますので、気になった方には申し込んでもらいやすいでしょう。
他には、古本や古着の買い取りであれば、「FAXDMを受け取られた方限定で、売りたいものをオフィスまで受け取りに伺います」といったオファーもよいでしょう。お客様にとって、売りたいものをお店まで持っていく面倒さやそれにかかる時間というハードルをクリアできる魅力的なオファーです。更に買取額アップなどのクーポンがついていると、コスト面でのハードルもクリアできますね。
重要なポイントとして、なるべくオファーは「無料」で提供するということを意識してください。スーパーマーケットでの試食などが好例ですが、仮にあの試食が無料ではなく10円や100円だったらいかがでしょう。まずは一口…というわけにはいかなくなるのではないでしょうか。無料だからこそ、気軽に味見ができるのです。そして気に入ったら今晩のおかずに買っていくこともあるでしょう。
オファーを無料で提供することに関しては他にもメリットがあります。人間本来の性質として「返報性の原理」というものがあります。返報性の原理とは、人から何かをしてもらったら、お返しをしないと申し訳ない感情が働く心理現象のことを指します。無料でオファーを受けた以上、無下にあしらいにくくなるわけです。商品の実際の購入までとはいかなくても、アンケートや感想の返答など、何かしらレスポンスを得やすくなります。
無料で提供する上で注意すべきなのは、最低限の利益は確保できる(採算がとれる)範囲で設定することです。赤字覚悟の捨て身の作戦というのも場合によってはありますが、なるべくリスクは軽減できるように心がけてください。
(どうしても無料では厳しい場合は、初回のみ圧倒的に割安にして、満足していただくことで定価による継続購入を狙うなどしてみましょう)
②役に立つ情報を無料で提供する
どの業種でも使いやすいオファーとして、お客様にとって有益な情報を小冊子やレポートで無料提供するというものです。
士業の方であれば「10分で○○○についてよく分かるノート」だったり、コーヒーであれば「XXXコーヒーをもっと美味しく飲める方法 まるわかりBOOK」だったりという具合に、提供する商品に関連したお役立ち情報を特典としてお送りするわけです。他では得られない感(情報の希少性)が強調されているとなお良いです。
可能であれば、そこに記載した内容とこれから売っていきたいサービスが結びつくように意識しましょう。「10分で○○○についてよく分かるノート」には、○○○でお困りの際にはうちにご相談くださいといったようなメッセージを押し付けすぎない程度に盛り込んだほうが良いです。
このタイプのオファーを申し込んだお客様には、定期的にお役立ち情報やキャンペーンのご案内をお送りするなど、将来的に顧客になってもらえるように継続的にフォローすることが重要です。オファーを提供してそれっきりではもったいないですからね。
③返金保証を設定する
お客様が商品を購入する際に躊躇する要因のひとつとして、「買った後に損しないか」という恐れがあります。
その場合、「返金保証」をつけることで、お客様が負担するリスクを減らすことができます。商品の質やその後の対応がしっかりしていれば、いざ返金ということにはなりにくい(平均3〜5%)ので、十分効果的と言えるでしょう。
ポイントとしては、お客様が購入を躊躇う要因を取り除けさえすれば、必ずしも返金にこだわる必要はないということです。返金保証は最もイメージしやすいので例としてあげましたが、場合によっては「○年間は無償で保証」ですとか、成果報酬といった案もあるでしょう。
タダでも要らないようなオファーはNG
上記でオファーを設定する秘訣を説明しましたが、最低限「タダでも要らないようなオファーはNG」ということは肝に銘じていただければと思います。
お金を出してでもほしいものが無料で得られるとしたら、お客様は申し込まずにはいられないでしょう。逆に、無料であげても構わないようなものを無料であげても、その程度で終わるのです。
無料だから大したことないだろうと思っていたのに、思いもよらぬ良いものが得られたらどうでしょう。お客様はより大きな満足感を得られるでしょうし、その後の関係も良い方向に運んでいきやすいものです。
リスクを背負いたくない気持ちは重々承知ですが、それと同じくらい、いやそれ以上にお客様もリスクを背負いたくないと考えているのです。まずは与えなければ、得ることは出来ません。
売る側の事情ではなく、お客様の心理を第一に考えることが、魅力的なオファーを設定する第一歩です。
FAXDMの場合は原稿を作成したり配信したりといった部分でのコストを大きく削減できるので、その分をオファーの充実に回せると良いですね。
FAXDMによって魅力的なオファーを提示し、お客様からの反応を得た後、そこから関係性を築いていき、最終的に顧客化するという戦略をイメージしていくと良いでしょう。